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苛性ソーダは皮膚に触れると火傷をします。これはみなさんご存知ですね。
ただ、「火傷をする。」と言っても、通常家庭で起こりやすい熱湯や油などが
皮膚に触れた時の火傷とはちょっと様相が違います。

熱湯や熱した油などでの火傷は「通常熱傷」と呼ばれています。症状の程度は、お聞きに
なったことがあるでしょうが、T度からV度に分けられています。

T度・・・・・表皮が焼けて赤くなる。痛み、熱感。数日で治る。痕は残らない。
U度・・・・・表皮、基底層まで達する。水泡。強い痛み。約10日で治る。痕はほぼ残らない。知覚の鈍磨がある。
深達性U度・・真皮まで達する。水疱がやや白くなる。知覚鈍磨が著しい。約3週間で治る。痕は残りやすい。
V度・・・・・真皮全層に達する。壊死、炭化。患部の知覚無し。自然治癒無し。痕が残る。

通常の火傷は45℃以上の熱に触れることで始まります。45℃で約一時間、70℃では約一秒で組織の破壊が始まります。

何故でしょうか?ヒトの体はたんぱく質で出来ているからです。たんぱく質は熱で変性します。
煮沸消毒、ということを聞いたことがありますね。細菌やウィルスはたんぱく質を持っています。
そのたんぱく質を破壊するために、熱を加え、たんぱく質を破壊して彼らの活動を止めるのです。
通常熱傷の深さは、温度×時間で決まります。炎や油の場合は、温度は高いのですが、
触れる時間が短い場合が多いので、浅い熱傷になる場合が多いのです。(状況によりますが。)

さて、苛性ソーダの火傷ですが・・・。
これは「通常熱傷」とは呼ばれないで「化学熱傷」と呼ばれる範囲に入ります。
化学薬品で皮膚の損傷を受けた場合だからです。
化学熱傷には通常熱傷よりも注意事項が多くなります。何故なら、気体を発生したり、化学反応を起こしやすいからです。
皮膚に触れて熱傷を負った場合でも、医療現場では他の臓器に損傷が及んでいないか確かめる必要がある、とされています。
以前書きましたが、(苛性ソーダの安全データシート参照
1.気管に吸い込まれて粘膜が損傷している恐れがある。(気管支炎、肺水腫などを引き起こす)
2.目に入って、角膜を損傷している恐れがある。(結膜炎、角膜潰瘍、失明の恐れ)

そして、化学熱傷の説明です。
「種類や濃度、接触時間によって症状は異なりますが、一般的には紅斑、水泡、びらん、
潰瘍、壊死など熱傷で見られる症状を呈します。しかし通常熱傷よりも時間とともに
皮膚深部へ損傷が進行することが多いので注意が必要です。通常の熱傷とは違って、
重傷度がわかりにくいので、侮ってはいけません。」
この際、中和は「中和熱」が発生するので、行わないのが医療現場の原則です。

そして、
「酸よりアルカリの方が皮膚の深部にまで及んでいることが多く、V度の熱傷に相当する場合も多いのです。」
ということです。

通常熱傷が外部からの熱によって皮膚を破壊するのに対し、化学熱傷では皮膚に触れた(暴露という)薬品が直接皮膚を破壊して行きます。
その進行は薬品の力が無くなるまで止まることはありません。だから深部まで達する事が多いのです。

私たちの扱っている苛性ソーダ。アルカリの中でもトップクラスの強アルカリです。
そして濃度。通常の化学実験ではあり得ないほど濃いものであることを覚えておいて下さい。
(石鹸に使うのは通常37%前後の濃度。苛性ソーダは5%以上の濃度から「劇物」とされます。)

それで火傷を負ったらどうなるのか。放っておいたらどうなるのか。
お答えを頂きました。「骨まで達することもあります。」

骨まで達する間には血管もあります。神経もあります。
どんなに大切なものでも、「イヤだ。」と叫んでも、薬品はおかまいなしに溶かしてしまいます。

ですから、「保護具をつけましょう。」とお薦めしているのですね。
そして、万が一火傷を負ってしまったら・・・。「軽いからまあいいや。」ではなく、すぐに皮膚科へ行って下さい。
そして「苛性ソーダで火傷しました。」と原因をはっきりと言って下さい。化学熱傷の治療方針に基づいて治療してくれるはずです。

くれぐれも「火傷だから大丈夫」と思わないで下さいね。「火傷に効くハーブ」なんて塗っている場合ではありません。
もう一つ、お医者様からのお言葉です。
「どんな中和剤よりも、水が一番の中和剤と考えて、すぐに大量の水で洗い流して下さい。シャワーでもけっこうです。
目に入ったら15分以上、体にかぶったら30分以上は流し続けて下さい。
それから専門医へ治療に行って下さい。火傷の程度を自分で判断しないようにして下さい。

万が一苛性ソーダに触れたら時間が勝負です。何をおいてもまず大量の水で洗うことです。
必ず流水で(寒かったらぬるま湯でもいいそうですから)流し続けて下さいね。