苛性ソーダの安全データシートというものがあります。
これは苛性ソーダを扱っている会社が作成しなければならない
書類です。
「関東化学株式会社」という会社が作ったものがありますので、ここにURLを貼って
おきます。全容をお知りになりたい方はこちらをご覧下さい。
http://
ここではここからの抜粋を紹介させていただきます。
1.製品名 水酸化ナトリウム
2.危険有害性の要約
GHS分類
健康に対する有害性
皮膚腐食性・刺激性 区分1A
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 区分1
特定標的臓器/全身毒性(単回暴露) 区分1
環境に対する有害性
水生毒性(急性) 区分3
水生毒性(慢性) 区分外
注意喚起語 危険
危険有害性情報 重篤な皮膚の損傷・眼の損傷
重篤な眼の損傷
呼吸器系の障害
水生生物に有害
注意書き
安全対策 粉塵、ミスト、蒸気などを吸入しない。
環境への放出を避ける
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしない。
適切な保護手袋、保護眼鏡、保護衣、保護面、保護マスクなどを着用する
使用後は保護具をよく洗う。
取り扱い後はよく手を洗う。
救急処置 吸入した場合:新鮮な空気の場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させる。
気分が悪い時は、医師の措置を受ける。
飲み込んだ場合:口をすすぐ。無理に吐かせない。直ちに医師の処置を受ける。
眼に入った場合:流水で数分間洗い流す。医師の処置を受ける。
皮膚に付着した場合:汚染された衣類及び付着物を取り除く。
皮膚を流水で洗う。直ちに医師処置を受ける。
暴露した場合:医師の処置を受ける。
保管 施錠して保管する。
廃棄 内容物や容器は関係法令に基づき適正に処理する。
4.応急措置 吸入した場合:直に新鮮な空気の場所に移し、鼻をかませ、うがいをさせる。
皮膚に付着した場合:直ちに付着部を多量の水で洗い流す。
眼に入った場合:直ちに流水で15分間以上洗い流し、眼科医の処置を受ける。
飲み込んだ場合:直ちに水またはできれば卵白を混ぜた牛乳を飲ませ、医師の処置を受ける。
患者に吐かせることは、かえって侵され薄くなった胃壁を破ることがあるので絶対に行わない。
予想される急性症状及び遅発性症状:
吸入すると、喉の灼熱間、咽頭痛、咳、息苦しさ、肺水腫などを起こし、症状は遅れて現れることがある。
皮膚に付着すると、発赤、痛み、重度の皮膚熱傷、水疱を起こす。眼に入ると、発赤、痛み、かすみ眼、重度の熱傷を起こす。
5.火災時の措置
消化剤 :この製品自体は、燃焼しない。
使ってはならない消化剤 :得になし
消化を行う者の保護 :消火作業の際は、必ず保護具を着用する。
関東化学株式会社 製品安全シートより抜粋
え〜〜と・・・またまた長くなりましたので、続きはまた別ページにします(^^;)
わからない用語がたくさん出てきます。調べられる所は調べましたので、索引をつけておきました。
GHS分類・・・世界的に統一されたルールに従って化学品を危険有害性の種類と程度により分類したもの。
区分・・・・・これはこの安全シートを作成した会社に問い合わせてみたのですが、
「一概に説明は出来ない。」という返事でした(^^;)ただ、区分1は危険度としては一番高いそうです。
(AとBがありますが、(水酸化カリウムはB)この分類の違いについても、「なかなか説明は難しい」とのことです・・・。)
かといって、3が危険度が低い、というわけでもないらしく、「危険度が低い」とされるのは「区分外」という表記になっているそうです。
注意喚起語・・・・ラベル上で危険有害性の重大さの相対レベルを示すもの。GHSでは「危険」や「警告」などがある。
この際、「危険」は「警告」に優先される、ということなので、「危険」と書いてあれば、「警告」よりもっと危険なんでしょう(^^;)
眼に対する重篤な損傷・・・・眼の前表面に対する試験物質の投与にともなう眼の組織的損傷の発生、
または視力の重篤な低下で、投与から21日以内に完全に回復しないもの。
これに対して、眼刺激性とあれば、21日以内に完全に回復するものだそうです。
苛性ソーダは重篤な・・・・とありますので、回復しない方に入りますね。
ミスト・・・ガス(通常空気)の中に浮遊する物質または混合物の液滴。(←やっぱり霧みたいなものと解釈していいのかも・・・?)
特定法的臓器/全身毒性(単回暴露)・・・・単回暴露とは、一度その薬品に曝される、という意味です。
これに対して反復暴露という言葉がありますが、これは複数回その薬品に曝される、という意味です。
単回暴露では毒性を示さなくても、反復暴露によって毒性を示すものもありますし、また、この苛性ソーダのように
単回暴露で致死量に相当する危険度を持つ物もあります。
肺水腫・・・・内的要因と外的要因がありますが、この場合苛性ソーダによって引き起こされる外的要因の肺水腫です。
血液の液体成分が血管の外へ染み出した状態で、肺内で液体成分が溜まるため、
肺のガス交換が障害されて低酸素血症となり、呼吸困難が現れます。
この発作が起きた場合、上半身を起こし、何かによりかからせて座位にすること。
横にすると呼吸困難がひどくなるそうです。それから直ちに医師の治療を受けて下さい。