ものすごく化学的に言うと、

エステルを元の構成要素である酸とアルコールに分解するため、アルカリを加えて酸の
塩(えん)とアルコールに分解する化学反応。

ということです。何のことやらさっぱりわかりません(^^;)

が、この中に石鹸作りも入るのですね。

※「特に油脂をアルカリでグリセリンと高級脂肪酸塩に分解すること。」

ここに出てくる「高級脂肪酸塩」が石鹸のことなのです。ちなみに、高級とは、炭素の 数が12以上の脂肪酸に使う言葉です。

ですから、ここで覚えておきたいのは、鹸化、と一口に言っても、決して石鹸を作る ことだけではないよ、ということです。
鹸化の反応の一つとして、アルカリで油脂を 分解すること、これが私たちがいつも石鹸作りの時に利用している化学反応です。

苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を使って油脂を分解すると脂肪酸ナトリウム、という高級脂肪酸とグリセリンになります。
これが私たちが作っている石鹸です。ここからはよく聞く言葉になります。
「天然のグリセリンをたっぷりと含んだお肌に優しい・・・・・・・」
どうしてグリセリンが含まれているのか、おわかりになったでしょうか?
分解して作り出しているからですね。ここで塩化ナトリウム(しお)を加えると、
グリセリンだけ取り出すことが出来ます。ただ・・・石鹸としては随分使い心地が悪く なることと思われます(^^;)

「危ないものなのに、どうして使わなければならないの?」
という質問も聞く事がありますが、苛性ソーダはこの鹸化の反応が非常に強い物質なので すね。
ですから、石鹸作りに使うのです。石鹸作りには最適なのです。

それから、「そんな劇薬を使って大丈夫なの?」という質問も聞きますが、これも
「化学反応である。」と考えれば大丈夫だ、と言うことができますね。
油脂をアルカリで分解して、別の物質に化学変化させているわけですから、出来上がった 石鹸には既に苛性ソーダは存在していません。
別の物質(石鹸とグリセリン)になって いるのです。ですから「お肌に使っても大丈夫。」ということになります。
大丈夫どころか、その使い心地の良さはもうみなさん体験済みのことと思います(^^)

ここで鹸化率、という話にもなります。もし、苛性ソーダが多すぎたら・・・。
反応しきれない苛性ソーダは残ってしまいます。それでは大変に危ないことになって しまいます。
もし少なすぎたら・・・?
反応しきれない油脂が残ってしまいます。石鹸になりきれないものになってしまうんですね。

ですから、鹸化率90%で・・・とか95%で・・・なんて話になるのです。
これは石鹸になりきれない油脂を何%残すか?というパーセンテージです。
90%なら10%の油脂が残る計算になります。

私も含めて、大体鹸化率は85〜95%の間で作っておられる方が多いのでは?と思います。

「劇物だから少ない方がいいのでは?」という訳ではないのはおわかりになりましたでしょうか?
正しい計算で、正しい量の苛性ソーダを入れて作ることが石鹸には大切なのですね。

さて、鹸化率の計算ですが・・・。ちょっと長くなるので、また別のお話にさせていただきます。