本来、鹸化価というのは、1000gの油を100%石鹸にするために必要な
「苛性カリ」(KOH)の量を指します。
ただ、私たちが通常使っているのは苛性ソーダ(NaOH)です。
そこで、苛性カリから苛性ソーダへの換算が必要になります。
これは
40(苛性ソーダの分子量)÷56.1(苛性カリの分子量)
で出すことができます。(0.714です・・・^^;要するに苛性ソーダの
方が苛性カリよりも少ない量で鹸化が出来る、ということですね。
ただ、どちらも劇物、危険物です。取扱上の注意点はほぼ同じです。)
そして、油の鹸化価ですが、これは抽出方法や条件などによってバラツキが出て来ます。
親切なお店では自分の所の油の鹸化価を表示してくれていますので、
それを使う のが一番正確であろう、と思いますが、表示されていない場合、
標準値を使うか、あれこれ調べた中での平均値を取るか、という方法で算出して下さい。
(※親切極まりないお店では、既に苛性ソーダでの鹸化価を出してくれている所 もあります。
その場合は、そのまま計算して下さい。)
で、計算自体は簡単です。1000gの油ではなく、1gの油を鹸化する
苛性ソーダの量を計算した方が後でラクですので、1g単位での鹸化価を出します。
1000で割ってやれば1gの量が出てきますね。
(鹸化価)×40÷56.1÷1000
かけたり、割ったり、という時には特に順番を問いませんので、
この式の順番にこだわる必要はありません。
が、細かい計算を電卓でやった場合、 四捨五入、という機能が働き、ちょっとした誤差は出て参ります。
また、私の場合、先に出しておいた0.714という数字を使い、
(鹸化価)×0.714÷1000
という計算をしております。
例えば、オリーブオイルの鹸化価が191であったとすると、
191×40÷56.1÷1000=0.1361...
191×0.714÷1000=0.1363...
非常に小さいですが、誤差はあります。でも結局g数を取る時に四捨五入して
0.136にしてしまいますので、気にしなくても良いかと思います(^^;)
そして、この計算した1gの油を石鹸にするのに必要な苛性ソーダの値を レシピ量のg数に掛けます。
例えば、200gのオリーブオイルを石鹸にしたい場合、
200×0.136=27.2(g)
オリーブオイル200gを石鹸にするのには、27.2gの苛性ソーダが必要である、とわかりました。
これは「100%」石鹸にしたい時の値ですので、ディスカウントしたい%を
100%から引き、さらに掛けてやります。
ディスカウントを10%にしたい時、石鹸にしたいのは残りの90%ですので、
27.2×90%=24.48
この値が鹸化率90%の時に必要な苛性ソーダの量となります。
で、油によって鹸化価は異なりますので、使う油の種類をすべて同じように
計算を繰り返し、最後にそれを全部足したものが使用する全ての油を90%で鹸 化する苛性ソーダの量、となります。
私は最後まで小数点以下2ケタで計算し、最後に四捨五入してきっぱり○○g、
と出すことにしております。(まあ、ちょっとでも誤差を少なく・・と思いまして・・・^^;)
おお・・・・「簡単です」とか書きながら、けっこうめんどくさいかも・・・。
計算サイトを使った方がずっと早くて便利だったか・・・(−−;)
無駄だったかな・・・・・?(><)
めんどくさいついでに、一応公式化しておきます。
1)鹸化価をEとし、1gの油を100%鹸化させる時に必要な苛性ソーダの量を Qとするとき、
Q=E×0.714÷1000 または
Q=E×40÷56.1÷1000
2)使用したい油をngとし、またディスカウントしたい数字をA%とするとき
使用する苛性ソーダの量Q2は
Q2=(n×Q)×(100−A)% または
Q2=(n×Q)×(100−A)×0.01
ま、計算サイトに載っていない油を使いたい場合に、ご利用下さいませ。
また、自分で計算した苛性ソーダの量が大体正しいかどうか?という検算に
計算サイトを利用するのもテですよ(^^)←私は最初のうちそうしておりました。