♪牛乳石鹸、良い石鹸♪と言う歌が浮かんで参ります(^^;)←年がバレる・・。

ところで、この牛乳を使った石鹸を作ろう、と思った方はたくさんいらっしゃるのでは ないか、と思います。
作ってみれば、泡立ちもけっこう優しく、またトレースも早く、便利は便利。

で、作り方ですが・・・。
最初から苛性ソーダに混ぜてしまった、というお話を聞くことがあります。そして
アンモニア臭がひどくて参った・・・というお話も・・・。

実はこれ、やってはいけません。
牛乳の成分を書いておきます。
 
牛乳100g中の成分。
 水分    87.4g
 たんぱく質 3.3g
 脂     3.8g
 炭水化物  4.8g
 カルシウム 110mg
 リン    9.3g
 鉄     0.02mg
 ナトリウム 41mg
 カリウム  150mg
 レチノール 38ug
 ビタミンB1 0.04mg
 ビタミンB2 0.15mg

ん?と思った方はいらっしゃいますか?
水分は別として、他の成分・・・。苛性ソーダで壊されてしまうものがたくさんあります。
苛性ソーダはたんぱく質を溶かす。たんぱく質は分解されてしまいます。
炭水化物は糖類。
ここでは「単糖」と呼ばれるものらしいですが、この単糖にはヒドロキシ基と呼ばれる何だか難しいものがたくさんくっついています。

脂・・・脂を分解して石鹸を作ろうとしているのですから、これも分解されます。
カルシウム・・・?このカルシウムは、牛乳に入っているたんぱく質と結びついています。
牛乳に含まれるたんぱく質はカゼインと呼ばれるものが80%で、
大きく分けて3つあります。(α−カゼイン、β−カゼイン、K-カゼイン。)
ただ、たんぱく質は壊れてしまうのでカルシウムは一人ぼっちになっちゃいますね。
他にも一人ぼっちになってイオンとして水溶液中を漂っているものが幾つかあります。
これ、石鹸には大敵と言われる硬水の成分だったりします(^^;)

さて、アンモニア臭がひどい、ということなので、アンモニアが発生するのではないかと
あれこれ調べてみましたが、アンモニア(NH3)が発生するためには窒素(N)が
必要だなあ・・・などと思って見ておりましたらおりました(^^;)
たんぱく質を構成しているアミノ酸の中のセリンというヤツが持っています。
さらにアミノ基自体が窒素を持っておりますので、苛性ソーダに入れると分解されてアンモニアとして出て参ります(^^;)

どちらにしても、苛性ソーダに牛乳を入れる・・・というのは、おかしなガスを発生
させかねませんし、また成分のほとんどを壊してしまうので、やらないに越したことは ないです。

入れるなら、まず水分量を計算し、苛性ソーダ水溶液を作る分の水を取り、残りの分量を 牛乳として下さい。
苛性ソーダは室温でほぼ同量の水に溶けますので、そのくらいの 水を取っておけば大丈夫です。
それからその水溶液である程度混ぜてライトトレースを出し、後から牛乳を混ぜて下さい。
それでもある程度の分解は防げませんですが、いきなり入れるよりはずっとましです。(臭いも・・・^^;)

型出しをし、カットする時には少し臭いますが、これは寝かせているうちに消えていきますので大丈夫です。

苛性ソーダにいきなり何かを入れる・・・というのは、どんな物質か?を調べてからで
ないと危険なことになりかねませんので、ご注意を!!